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July 06, 2009

Kenny Lattimore / Weekend

 最新アルバム "Timeless" がアメリカでスマッシュヒットになったR&Bシンガー、Kenny Lattimore の2001年作品。昨年 (2008年) 末にシャンテ・ムーアと夫婦で来日、素晴らしい大人のパフォーマンスを魅せてくれたらしい。残念ながら予算の関係で見ることができなかったことを非常に後悔している。

タイトなリズムのイントロで始まるタイトルチューン "Weekend" を聴いて、まず「う〜ん♪」と唸ってしまう。何とも言えぬ気持ちのいいグルーヴ。Kenny Lattimore のセクシーなヴォーカルにいきなりトロ〜ンとなってしまう。トロトロのバラード、"Can You Feel Me" や "Who" 辺りで完全にノックアウトされる。何と言うムードに溢れる男の色気か。
(うらやましい)
バラード、"Healing" でのゴスペルタッチな曲もあるが、アルバム全般に都会的な雰囲気が溢れていて、少し古い言い回しになるが、アーバン・コンテンポラリーの王道を行く作品である。

この系統のアルバムでは、往々にしてポップになりすぎて聞き飽きてしまう作品があったりするものだが、本作についてはそれを感じさせない。やはりこれは Kenny Lattimore 自身のヴォーカリストとしての力量によるものだと思う。
アルバムをあっという間に聴き通してしまう名作と言って良いと思う。"Timeless" と同様、大人の音楽を聴きたい人には絶対にお勧め。

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June 19, 2009

杉真理 / MADE IN HEAVEN

 杉真理の1991年発表作品。発売当時から既に20年近く経つのだが、ずっと私にとって夏の定番となっているアルバムのひとつである。

本作は「未来世紀の恋人へ」で幕を開ける。このゆったりとしたリゾート感にうっとりしてしまう。全体を覆うアコースティックなトラック、特に安藤まさひろのアコースティックギターが美しい。真夏の太陽のもと、木陰で是非聴いてみたい名曲。

もちろん聴きどころはこの曲だけではない。前半は特にこういったリゾート感溢れる曲調が中心になっている。ホーンセクションがフィーチャーされた、アップデンポな「Rosemary Street」では、白井良明のギターソロを聴くことができる。一瞬意表をつかれるが、曲にしっくりくる。「Heaven In My Heart」もいい雰囲気。波の音をBGMに、という感じだ。

アルバムの後半は、曲調を聞いただけで松尾清憲が参加していると分かる60年代系の「渚の願い」や「Do You Feel Me」など、少し雰囲気は変わってくる。(なお「Do You Feel Me」は松本隆作詞)
でも、「Surfside Drive」とか「波の彼方Hawaii」とか、そういうタイトルを見せられてしまうと、いやいや夏のアルバムなんである。サウンドもやっぱり「夏!」と言う趣はブレておらず、非常に心地よいサウンドが気持ち良い。

杉真理の作品の中ではどうしても目立たない作品になっているようだが、私は本作がダントツで気に入っている。なお本作はしばらくの間廃盤になっていたが、昨年(2008年)紙ジャケットで再発されている。従い入手性もグンとアップしている。しかもこの紙ジャケ仕様はボーナストラックとして本作に収められた曲から5曲のライブ・バージョンが収められている!(聴きたい!)

よし、今年の夏もこのアルバムを聴きまくるぞ!

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June 16, 2009

Big & Rich / Between Raising Hell and Amazing Grace

 Big Kennyと、元LonestarのJohn Richが結成したデュオで、2007年発表の作品 (3作目)。全米でロングセラーとなっている大ヒットアルバムである。

John Richは、実はロックグループ Nickelbackの"Rock Star"という名曲の、これまた名ヴィデオに出演していて、そのヴィデオの一シーンで彼はバンジョーをたたき壊すと言うパフォーマンスを演じている。ということは、かなりパンキーなカントリー・ロッカーという印象がある。また、本作のアルバムジャケットも、エレクトリックギターを弾いている2人がイラストされている。こうなるとロックかカントリーか区別のつかない、かなりハードな作品であることを想像させる。

しかし、そんな先入観でこのアルバムを聴くと、驚く程おとなしい、ポップ寄りと言っても良いカントリーミュージックを聴かせてくれることに驚く。どちらかと言えば、地味な方である。
アルバムの前半は、2人のハーモニーを中心にしてかなりベタなカントリーを聴かせてくれる。このほのぼのした感じはちょっと拍子抜け、というのが第一印象。いいんですけどね。

アルバムの後半になると、状況は変わってくる。"Side B, Side B,..." というアナウンスの後の "Radio" と言う曲はかなりハード。これが私の期待していたハード目のカントリーである。うーん、カッコイイ。"Please Man"は、何とヒップホップ界の人気アーティスト、Wyclef Jeanをフィーチャーしている。曲調もカントリーから一気にカリブ系の音楽になっていて非常に面白い。
その次の "You Shook Me All Night Long"は、ご存知の方も多いかもしれないが、AC/DCの名曲。このハードロックファンなら大概知っているナンバーを、絶妙にカントリー風にアレンジしていて、ライブなんかでは意外と盛り上がるかもしれないと思った。

総じて、前半はややおとなしめ、後半はかなり活発なアルバムと言う印象で、万人受けするタイプのアルバムかな、という作品と言える。

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June 01, 2009

The Dirty Dozen Brass Band / Live: Mardi Gras in Montreux

 1986年作品。前年 (1985年) にスイス・モントルーで開催された、Montreax Jazz FestivalでのDirty Dozen Brass Band (以下DDBB) のライブアルバムである。私は知らなかったのだが、本作はDDBBが世界中に知られることになった、いわば出世作だと言うことだ。今までこのアルバムをそのような知識なしに聴いていたのだが、本作での演奏が世界で認められた、ということは非常にうなずける、そんな感想を持った。

とにかく、まず楽しい。伝統的なニューオリンズジャズを前面に押し出しているが、案外この類いの音楽を聴いたことのない人は多いと思うから、是非聴いてみて欲しいと思う。心から揺さぶられるように身体が踊りだしてしまう、そんな感じだ。トランペット、テナー・バリトン・ソプラノの各サックス、ソーサフォン、そしてベースドラムとスネアドラムという構成から想像できるように、カラフルな音色の管楽器がこれでもかとメロディを奏でる。リズムは当然のことながらこの地域の音楽らしくセカンドラインを奏でる。この自然に身体が動いてしまうような、楽しくてファンキーな感じが、DDBBの魅力である。

選曲も、彼らのオリジナルを中心にしながら、セロニアス・モンクの "Blue Monk / Stormy Monday" や、TVマンガや映画でおなじみの "Flintstone"のテーマ曲にアメリカ国歌が絡んでくる "The Flintstones Meets The President (Meets The Dirty Dozen)" など、バラエティに富んでいる。ニューオリンズ音楽ではおなじみの、プロフェッサー・ロングヘアー作 "Mardi Gras In New Orleans" も収録。彼らの魅力を知るには非常に取っ付きやすく、そして素晴らしい作品となっている。アルバムの最初から最後まで一気に聴き通してしまい、爽快感が残る名作だと思う。

アメリカらしい音楽をこういう形で世界に発表してくれたRounder Recordsに感謝、感謝の1枚である。

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May 16, 2009

Richard Marx / Richard Marx

 Richard Marxの記念すべきデビューアルバム (1987年発表)。元々はコマーシャルジングルのシンガーを経験していて、その後Lionel Richieの作品のバックヴォーカルなども担当していた彼のデビューシングル、"Don't Mean Nothing" は、当時MTVなどでも頻繁にオンエアされ、とても印象に残っている。いかにも西海岸ロックと言った感じの明るいギターを中心にした乾いたバックトラックにRichard Marxのハイトーンヴォーカル、そして美しいコーラス。まさにこれがウエストコーストロック、という面持でとてもよい気分にさせてくれた。そして嬉しかったのは間奏でうなるスライドギターを聴かせるJoe Walsh。爽やか、と言う感じではないが、ウエストコーストを代表するロックバンドであるイーグルスの、この手の音楽ファンなら聴いてすぐ分かるJoeのスライドはとてもかっこいい。気分は夏、と言った感じのこの曲は、やはりこのアルバムのベストトラックであると言えよう。
その他にも典型的なカリフォルニアロックが中心のアルバムで、とてもイイ感じである。

お決まりのバラード"Hold On To The Nights"は、ピアノを中心とした曲にまとまっていて、間奏のヨーロッパ系ヘビメタっぽいイコライザーを使用したギターソロもきれいに聞こえる。 Richard Marxのヴォーカリストとしての才能もこの曲で存分に発揮されている。

ウエストコーストといえばお決まり!のEaglesの参加も、前述したJoe Walshを始め、この系列のアルバムのバックコーラスでは必ず顔を見せるTimothy Schmitの他、Randy Meisnerまで参加、というほぼフルメンバー。

西海岸ロックのお手本と言う感じのアルバムだけに、この種の音楽が好きでない人には勧められないが、多くの人に勧められると思っている。

ベストアルバムも当然お勧めだが、まずは本作から聴き込んで行くのがよろしいと思う。

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May 14, 2009

Warren Zevon / Learning To Flinch

 Warren Zevonが1990年代前半にあちこちで行ったアコースティックコンサートツアーを収録したライブアルバム (1993年発表)。収録地はアメリカを中心にイギリス、オーストラリア、ドイツなどなど世界各地。彼の力強い骨太なヴォーカルと、かきならすようなギタープレイが印象的である。彼一人でのパフォーマンスで、また最小限の楽器でのツアーであり、内容もアコースティックなサウンドであるため、Warren Zevon独自のUnpluggedアルバムと呼ぶこともできるだろう。。

ギター一本でひたすらロックンロールするWarren Zevonは力強くもあり、寂しくもあり。また、Linda Ronstadtのカバーでもお馴染みのバラードの名曲"Hasten Down The Wind"で聞かれる、あまりに寂し気なピアノは、それまでのロックンロールと対照的に美しい出来である。

"Roland The Headless Thompson Gunner" は、彼のパフォーマンスとしては良く耳にすることができたが、本アルバムに収録されているバージョンは11分以上にわたる超ロングバージョン。それ以外にも、もともと彼はヒットメーカーとは言えなかったとはいえ、彼の代表的な作品は一通り網羅されている。なお、本作品では新曲が3曲収録されている。
("Worrier King"、"Roland Chorale"、"The Indifference Of Heaven")
何といっても、ロックファンの心をくすぐる名曲ぞろいである。彼のソングライティングの才能につくづく感心してしまう。

ウエストコーストのシンガーソングライターでありながら、爽やかさを全く感じさせない不思議なアーティストであるWarren Zevonの魅力がとても良く出ているアルバムだと言える。

なお本作はもともとGiant Recordから発表されたが、2008年にRhinoから再発盤がリリースされている。

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May 08, 2009

The Neville Brothers / Walkin' In The Shadow Of Life

 2004年発表の作品。
正直1990年以降ころからのネヴィルスはほとんど聴いていなかった。具体的には1992年発表の "Family Groove" 以降、Nevilles の新作は経験していなかった。別に嫌いになったとかそういう訳ではなくて、彼らが80年代までに発表した作品で十分過ぎる程の感動を得られていたためだと思う。今彼らの発表作品のリストを見てみると、 Family Groove 以降90年代はライブ含めて3作がリリースされているようで、それなりのペースでアルバムは作っていたことになる。

そんな訳で、本作は21世紀になって初めての作品であり、現時点での最新作である。ここ5年間アルバムリリースがなく心配ではないことはないが、一方精力的な活動は耳にしているので、問題ないのだろうとは思っている。

いきなり話がずれてしまったが、本作品。前作から5年振りとなる作品だが、相変わらずのニューオリンズファンク振りには感動すら覚える。

「ファンク爆弾落下!」

こんな感じか。

冒頭の "Walkin' In The Shadow Of Life" から健在。全く衰えることもなくグイグイとリスナー達を引っ張って行く。うねり、うねりの連発で、こっちの体力が衰えてしまうのではないか、と言う程だ。
特に3曲目 "Can't Stop The Funk" でのかなり派手なコンテンポラリーファンク (一瞬P-ファンクと聴き間違えてしまううねうねのベースとJason Nevilleのラップが印象的)、その次のテンプスのカバー曲 "Ball Of Confusion (That's What The World Is Today) " でのダイナミックな分厚いコーラスとバックに流れるセカンドライン、そしてその次の "Kingdom Come" (これはいかにもシリルの作品と言う、パーカッシブでメッセージ色の強い曲、しかもBonoとの共作らしい) あたりの展開は圧巻である。この辺の流れはとてもNevillesらしい曲の流れで、やっぱりNevillesファンとしてはニヤッとして身体がウネウネ動いてしまうところである。"Can't Stop The Funk" のようなP-ファンクの様な雰囲気を持つ曲が多いのは、今回のアルバムの特徴であろう。あと、ここ数作では大概収められていた Aaron Neville のソロヴォーカルによる甘〜い曲が収められていない。この類いの曲は嫌いではないのだが、いくらNeville Brothersのアルバムのアクセントとはいえ、こういう曲は彼のソロアルバムでも堪能できるので、そっちを聴けばいい、と思っていたものである。

それにしても、いつも思うのだがどうして彼らはこれだけの世代を超え、なおここまで完成度の高い演奏ができるのか、本当に不思議である。ライブバンドとしての実力をきっちりと発揮されているのと、やっぱり「家族」であることによる一体感なのだろう。改めて血のつながりの強さを感じさせる作品と言える。


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May 04, 2009

土岐麻子 / TOUCH

 土岐麻子の2009年発表作品。
ソロでメジャー第3作となる本作は、前回より更に注目を集めている中でのリリースとなっているが、前回までの2作とは若干雰囲気が変わってきているな、というのが第一印象である。

特に前作の "Summerin'" との比較、と言うことになってしまうのかもしれないが、ポップ全開!と言う感じの前作と比べると、しっとりした大人の雰囲気を持った曲が多くなってきているような気がする。

特にユニクロのCM (本人も出演) で流れた「一般的に」土岐麻子が知られるようになったきっかけでもある "How Beautiful" を始め、日産ティアラのCMソングにもなったビル・エバンス作の "Song for Debby" といった、ジャズ的アプローチの作品が2曲目・3曲目に収録されている。以前の作品でもこの種類の曲は収録されていたが、どちらかというとアルバムの後半に収録されていた。言ってみたらシンバルズ後半からこういった曲は演奏していたことを考えると、彼女のやりたかったことが前面に出てきているのかな、という感じがした。前作があまりに心地よいポップ曲ぞろいだったので、もしかしたら戸惑う人がでてくるのかもしれないが、そこは彼女の最高に魅力のあるヴォーカルと心地よい楽曲、そしてアレンジは今まで通り健在なので安心できる。特に川口大輔氏のアレンジによる曲のポップ感は気持ちよすぎる。

今回はキリンジの堀込さん (お二人とも堀込さんですが... 弟さんの方です)とのデュエット曲、"FOOLS FALL IN LOVE" があったり (これがまたとてもキリンジっぽくて好きな方は絶対に満足するはず)、くるりの岸田氏による「ふたりのゆくえ」が収録されていたり (これは分かる方なら一瞬で岸田氏によるものと分かるはず)と言った話題作もある。
また、今回の新たな発見として、以前から土岐麻子のアルバムに参加していたair plantsさんの存在である。3人組のインストグループ (構成はバイオリン・チェロ・ギター) なのだが、本作に収録されている「ブルーバード」、ここでの演奏は、今まで気にはなっていたが土岐麻子のヴォーカルと気持ちいい程ピッタリ。現在チェロの方が海外にいらしてライヴの予定がないと言うことなのだが、一度聴いてみたいものだ。
前述の川口氏系、ジャズ系と非常に盛りだくさんな内容。全てが充実しており、アルバム全体として考えても素晴らしい出来となっている。昼に良し、夜に良し。

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May 01, 2009

Zac Brown Band / The Foundation

 2000年に結成されたアトランタ出身のカントリーバンド、Zac Brown Bandによる第4作。うち最初の2作は自主制作だから、メジャーレーベルからの作品と言うことになると第2作になる。

こういう作品を聴くと、改めてアメリカ音楽の奥深さを感じる。1980年前半にも通じるポップテイストを散りばめたカントリーミュージック。演奏も決して派手にならず、かといって大人しくもない、心温まるカントリーという雰囲気がアルバム全体に漂っている。

言ってみれば、とても律儀なポップカントリーである。

このヒップホップ全盛の音楽界にあって、こういうアルバムがリリースされて全米トップ20に入る売れ行きを見せる。本作からシングルカットされた "Chicken Fried" (ちなみにこれは彼らのデビューシングルである) は全米シングルトップ20に入り、カントリーチャートでは初のNo.1ヒット、そしてミリオンセラーを記録している。
つまり、こういう曲もアメリカでは広く受け入れられていると言えるのである。

全体的にも、このアルバムは気持ちよく聴いていることができる作品であり、良作だと思う。今一つとんがったところがない所が、その類いを求める方々には不満かもしれないが、 ゆったりした気分で聴くにはなかなかよいのではないかと思う。基本的に捨て曲は全くなし。今のようなホリデーシーズンなどにはうってつけの作品である。

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April 29, 2009

Cymbals / Anthology

 1997年に結成し、2003年を持って解散したCymbalsのベストアルバム。Cymbalsは、私が今お気に入りの土岐麻子さんが昔ヴォーカルを担当していたバンドで、彼女の非常に初々しさが非常に印象的である。解散時のメンバーは、彼女の他に沖井礼二 (ギター、ベース)と矢野博康(ドラムス)の3名。NONA REEVESの奥田健介もサポートメンバーとして活躍していた。

もともとは土岐麻子から遡ってCymbalsに行き着いているのだが、ここでのバンドの方向性こそが、その後の彼女のソロ活動に大きな影響を及ぼしていると改めて感じた。

Cymbalsのことは全く知らなかったと思っていたのだが、最近確認したYoutubeなんかで見かけるヴィデオなんかを見ると、本作の2曲目に入っている「午前8時の脱走計画」なんかは、このPVをつかったCMを見た記憶が蘇ってきた。何かかわいらしくて、セピア色の外国人の少年が出演したり、モータウンっぽい女性コーラスグループが登場したりと、随分アメリカを意識したおしゃれなPVだなと思ったものだ。かれこれ10年近く前の話だとは信じられないほど、少しずつ鮮明に思い出されてきた。

ここに収録されている21曲を改めて通して聞いてみるとは、彼らがメジャーデビューしてからの作品が中心となっているが、ポスト渋谷系と呼ばれるように、独特のスマートなポップさが際立つ作品が凝縮されていると思う。今聞いてもかなりおしゃれなポップだと言えるが、今回認識したのは、高い演奏能力である。
多くのバンドが、バンドのメンバーの個性にバンドの個性を頼っていた感じのある中、彼らはバンドとしての実力をしっかり兼ね備えていたと言える。3人のバンドであり(結成時は4名であったが)、バンドとしてのパワーが大きくないことは間違いないが、それをいろいろなサポートメンバーがしっかりとカバーしていたと思う。

曲調についても、ちょっとパンクなバンドタイプの曲が多い中、後半になると土岐麻子のヴォーカルを前面に出したジャズっぽい作品も登場してくる。これは、土岐麻子が解散後、父である土岐英史との共同作業で発表したジャズヴォーカルアルバムの布石だと考えられて興味深い。

本作はとりあえずCymbalsの活動を総括すると言う面では非常に入りやすく、また満足できる作品である。もっとも以前からのコアなファンは、こういう作品では納得できず、オリジナルアルバムやDVD作品の方が楽しみなのだろう、ということはよく分かる。iTunes Storeでもインディーズ時代の作品などが発売されているので、これに興味をもったら聴き進んではいかがだろうか。

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April 27, 2009

Debbie Gibson / Greatest Hits

 現在はより本名に近い、Deborah Gibsonとしてミュージカル中心に活躍しているデビー・ギブソンのベストアルバムである。1996年発表である。

ちょうど彼女がデビューした1987年の頃を思い返すと、ちょうど学生時代の夏休みをアメリカで過ごしていたのだが、このときにMTVでヘビーローテーションでかかりまくっていたのが彼女のデビュー曲、"Only In My Dreams" だったというわけだ。まあとにかくカワイかった。当時16歳と言う話はニュースで聞いていたし、当時はやっていた音楽の中では、彼女の若さは際だっていた。"Only In My Dreams" のPVなんかでも、浜辺に置かれたベッドのシーツにくるまった彼女は、お色気だとかセクシーさだとかをほとんど感じさせない(!?) 明るさが印象的。当然デビュー当時のビデオクリップ集も買いました。(VHSで。)
見た目だけではなく、歌も抜群であった。キンキンと響かない、全く嫌みもない、普通の明るい女の子の高い声のようだが、以外とこういう声の持ち主はいないものだ。

またライブパフォーマンスも実力派であった。ちょうどデビューアルバム発表後の全米ツアーの映像の一部を見たことがあるのだが、とにかく動き回るのに声がブレない。声の伸びが全く普通通り。彼女の単なるアイドルではない、一歩飛び出たようなものを感じていた。

そういえば、同じ頃デビューしたティファニーって言うのもいたが、私に言わせれば相手ではないなと思ったものだ。Debbie Gibsonは、私の中では完全にアイドル状態だった。

その後も次々とヒット曲を放ち、彼女もだんだんと大人になって行き、という過程も良く覚えていたが、だんだんとヒットに恵まれなくなり、次第にポップシンガーとしてではなくミュージカルの方に移行してすっかり見なくなってしまった。最近はまたポップの世界に時々登場していると言うニュースもあるので、ミュージカルが好きではない私にとっては久しぶりに拝見したいと思っている。

何か前置きが長くなってしまった。(ちょっと文章に力がこもりすぎました)
本作は12曲が収録されているが、そのうち2曲はシングルヒット曲のリミックス盤なので実質的には10曲入りと言うことになる。
これだけで彼女のベストアルバムになるのか?という気もしたが、まあ曲名を見れば納得である。やはり彼女のピークは最初の3年くらいかな、というのが改めての印象なのだが、やっぱりイイです。もちろんアップテンポな "Only In My Dreams"、"Shake Your Love" と、ナイスバラードで彼女のヴォーカルが未成年とは思えぬ表現力に満ちた "Foolish Beat"、"Lost In Your Eyes"あたりがお勧めか。私なぞはこの辺を聴くとついつい一緒に口ずさんでしまったりします。

前述したリミックスバージョンだが、個人的には残念ながら今ひとつかなと言う感じがする。クラブミックスだから、じっくり目を閉じて聴くのにはどうしても似合わないのかな。

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April 26, 2009

Joe Ely / Live At Liberty Lunch

 一直線のアメリカンロックを聴かせるJoe Elyが1989年に発表したライヴアルバム。彼の地元、テキサス州オースティンでの収録である。

バンドはJoe Elyの他、Jimmy Pettit (bass)、Davis McLarty (drums)、David Grissom (guitar)の4人。いずれも無名ではあるが、シンプルでストレートなアメリカン・ロックをきっちり演奏してくれる。David Grissomのギターはアメリカンロックの中でも、どちらかと言えばヘビーな音を聴かせてくれている。

全13曲中Joe Ely作のものは8曲(共作含む)。歌自体は別段うまいという感じではなく、声に特徴があるので好き嫌いが分かれるかも知れないのが心配だが、まあ演奏についてはアメリカンロック好きにはたまらないだろう。むしろ声よりもギターをソロでかき鳴らしたり、あるいはバンド演奏のきっちりさを聴いてしまうと、このアクのある声さえ気にならないかもしれない。知る人ぞ知る、と言う感じの、南部寄りの正真正銘のアメリカンロックを楽しめるのは確実。もしGeorge Throgoodが好きなら間違いなく気に入るはずだ。

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April 13, 2009

Ned Doheny / Postcards from Hollywood

 1991年発表の日本限定盤ミニアルバム。(もっともNedの場合本国アメリカでの認知度はほとんどなく、すべてが日本限定盤と言っても過言ではないのだが)

本作は、全曲アコースティックギター一本の弾き語りであり、発売当時話題になってきたMTV Unpluggedを意識したものかなと思ったものだ。曲は全7曲収められており、うち2曲がデビューアルバム、1曲が"Life After Romance"、そして4曲が名作"Hard Candy"に収められたものである。発表時点での最新アルバムからの収録数が少ないという印象があるのだが、やはり名作からのセレクションが多くなるのは仕方ないかな、と思う。

全て目の前でネッドが弾いてくれているような錯覚さえ覚える。元々ギターのテクニックには定評があるので、聞き惚れてしまう。"Postcards From Hollywood" でのあまりに美しい歌詞、他アーティストのカバーでも知られる "Get It Up For Love" や" Whatcha Gonna Do For Me?"、ネッドの数ある曲でも最高のラブソングと誰もが認める "Valentine (I Was Wrong About You)" などなど、曲数は少ないが、聴きどころは満載である。

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April 12, 2009

Billy Joel / The Bridge

 前作 "Innocent Man" で50〜60年代風の曲に挑戦したBilly Joelが、1986年に発表したロックアルバム。「正統派」。これがこのアルバムに対する第一印象だった。非常にシンプルなバンド構成で、小気味良いロックンロールを聴かせてくれる。プロデューサはPhil Ramone。

このアルバムには、映画 "Ruthless People" の主題歌として、アルバム発表前に大ヒットした"Modern Woman"を収録している。またこのアルバムとしての第一弾シングルは"A Matter Of Trust"で、これも大ヒットした。この曲を聴いた時は、冒頭の"One, Two, One, Two, Three, Four"のかけ声が何とも言えぬ節回しで笑えたが、良く聴けばなかなか良い曲である。

"Baby Grand" は、Billy Joelが小さい頃のアイドルでもあったRay Charlesとの競演作である。Ray Charlesは、彼らしい枯れたヴォーカルだけでなく、(もちろん)見事なピアノをBilly Joelと共演してくれる。当然とはいえ、このアルバムの最大のニュースであり、もちろん一番の聴き所である。
競演と言えば、アルバムの最後に収められている "Getting Closer" は、Billy Joelが長年のファンであったSteve Winwoodとの共演。Steve Winwoodのハモンドオルガンのプレイは何度聴いてもやっぱりすごく、Billy Joelのヴォーカルとの掛け合いはこのアルバムのもう一つの聴きどころでもある。

このアルバムは、ある意味ゲストミュージシャンの参加が話題になりがちであるが、あくまでロックを貫く彼の姿勢が良く出ていると思っている。強いて残念なところと言えば、他のアーティストとの競演曲以外は、良い曲が多いものの地味な感じが否めないところか。しかし、全体的には聞けば聞くほど良い内容だと思う。地味かどうか、というのも、前作の "Innocent Man" や、その前の "Glass House" などとの対比で語られると、仕方がないか。

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April 11, 2009

Bon Jovi / Lost Highway

 2007年発表。現時点でのBon Joviの最新作。ご存知の通り、Bon Joviの作品は、年を追うごとにロック好きのお兄ちゃん的な音楽性からどっしりしたアメリカン・ロックへと変化を遂げている。今回も更にその傾向が強まっている。バンドとして20年以上も活動していると、貫禄もつくと言うことなのだろうか。

さっき「どっしりしたアメリカン・ロック」と書いたが、これはつまり、私の大好きなタイプの音楽になってきていると言うことでもある。
アメリカン・ロックでもアーシーなタイプと言えるこのスタイルは、冒頭のアルバムタイトル曲から最後の「I Love This Town」まで一貫している。アコースティックな部分を十分に残し、かつ時にはハードに決める。決してギターテクに頼らないと言うのは、初期のBon Joviのサウンドではあまり考えられなかったことだが、これもアメリカを代表するロックバンドとしてのアイデンティティの表れかな、と思う。

個々の曲それぞれについては触れないが、アメリカンロック好き、それもアーシー系好きの方々には基本的にお勧めだ。特に数曲挙げるとするなら、人気カントリー男性デュオ、Big and Richとの共演作である "We Got It Going On"、それ以外には "Lost Highway"、"Summertime" あたりが良い出来だと思う。

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